ペトリコール

涸れた街で溺れた少女 「何にもないよ」 音も色も
されど続く今日の世界に置いていかれたよ 音も色も

醒めた日々に乾いた空気を吐いた 逃げた心 どこにもいけずに
私が育てた花束は ずっと枯れないレプリカだったんだな

雨の匂いが確かになったけど未だに揺らいだまま

空腹バスに一人きり 大事なことを失くしてさ
当たり前のことばかり退屈に駆け抜けていった
空白みたい 私だけひとつもわからないままで
繋いできた毎日をひたすらに繰り返すだけ

濡れた地面と草の匂い 映り込む影に誰かの声
鏡のように笑いあっては 何度も揺らいでいた

あぁ 君の匂いがないよ

降り行く雨に耐えながら 支えた傘に二人きり
二人だけどこの二人でいられたら怖くないはずだよ
歪んだ姿 水溜り 誰にも気づかれないままで
繋いできた 二人だけの毎日に溺れただけ

本当にそれだけ

濡れた街で渇いた少女 「何にもないよ」 音も色も
されど今も泣いた世界に 流されてたよ 音も色も